こーいうサイトもあるってことだけ

http://www.inthefrontline.org/index.htm
「in the frontline」という団体です。「Telefono Arcobareno−against child abuse」とありますね。
「Telefono Arcobareno」はイタリア語で直訳すると「虹へ電話をかける」。まぁ団体の名称、というだけでしょう。それよりもその後の「against child abuse」。子供への暴行反対、と直訳できますね。
どうもイタリアの人権団体っぽいとこのようです。ですので、データの信頼性は100%ではありません。これは念頭に置く必要がある。あるとして。

でもって23時過ぎにURLだけ残したのはここのサイトのデータです。
http://www.inthefrontline.org/html/prevention5.htm
「GEOGRAPHIC RANGE OF THE ON LINE PAEDOPHILIA
IN THE WORLD」
世界中のオンラインでのペドフィリアの分布、とでも訳せばよいでしょうか。
「Pedobusiness conforms to marketing laws thus the offer of pedophile material increases where the request grows. The presence of paedophile material on European servers is quadrupled from 2003 to today with an increase of 406%. 」
子供を(性的に)商売道具としてる市場は増大している。現在ヨーロッパのサーバでは2003年に比べるとそれらの量は406%になっている。
かなり意訳ですが、こんな感じで説明があり、グラフが続きます。
グラフは画像になってるんでソースとしてはそこを見て欲しいんですが、

geographic range Country (HOST)
ホスト(サーバ)の(いわゆる児童ポルノのコンテンツを置いている)分布、かな。
2003年と2008年のデータがあります。抜粋しますが、
ドイツ 2003年 71(0.42%) 2008年 26191(61.78%)
オランダ 2003年 27(0.16%) 2008年 5256(12.40%)
アメリカ 2003年 10503(61.72%) 2008年 3611(8.52%)
キプロス 2003年 0(0%) 2008年 2553(6.02%)
ロシア 2003年 1232(7.24%) 2008年 2295(5.41%)
カナダ 2003年 116(0.68%) 2008年 989(2.33%)
中国 2003年 0(0%) 2008年 839(1.38%)
ポルトガル 2003年 51(0.3%) 2008年 85(0.20%)
日本 2003年 165(0.97%) 2008年 83(0.20%)
イギリス 2003年 45(0.26%) 2008年 49(0.12%)
韓国 2003年 1353(7.95%) 2008年 47(0.11%)
フランス 2003年 43(0.25%) 2008年 40(0.09%)
とのデータがあります。
ヨーロッパ(特にドイツ)が圧倒的に多いですね。
日本は2003年は165件で0.97%で、2008年は83件で0.20%です。減ってます。

その後クライアント(ユーザー)の大陸ごとと、G8+αのデータがあります。
クライアント側はどうやってその件数を調べてるのかわからないので、データの正当性として疑問が残る部分が無いわけではないのですが、
アメリカ 2003年 32.7% 2008年 22.9%
ドイツ 2003年 5.7% 2008年 19.2%
ロシア 2003年 3.9% 2008年 5.7%
イギリス 2003年 1.5% 2008年 5.6%
イタリア 2003年 2.2% 2008年 4.8%
フランス 2003年 2.5% 2008年 4.8%
カナダ 2003年 1.2% 2008年 2.7%
日本 2003年 3.6% 2008年 2.7%
2003年に比べて2008年に、クライアントの割合が
増加した国:ドイツ、ロシア、イギリス、イタリア、フランス、カナダ
減少した国:アメリカ、日本

あくまでもこの団体の調べではありますが、サーバとしてもクライアントとしても日本は非常に(彼らが児童ポルノであると認定している)コンテンツの流通元、流通先、どちらの側面から見ても、G8の中で非常にその量は少ないものである、と、あくまでもこのデータからは言えると思います。

そして、2003年に比べ2008年のコンテンツ流通量が増加している国の中で、単純所持を違法化していないのはロシアだけです。
他の国は既に単純所持を違法化していますが、その成果がデータとして見えるのはアメリカだけで、他の5カ国は増大しています。特にヨーロッパの国々がその増大傾向が大きいです。

「国際的な見地として」児童ポルノの単純所持を違法化したい、となると、単に、結果は出なくてむしろ違法化してさえも増え続けている国が6か国中5カ国あるのに、そのプラスの結果よりもマイナスの結果が大きいことが分かっていることでさえ、足並みを揃えたいのか。
あくまでもこれは結果論であり、元となるデータの信頼性も100%ではありませんが、結果的にマイナスになっている国が多いにも関わらず、「足並みを揃えたい」から、という理由だけで、実効性は何も考えずに違法化に走ろうとしているのでしょうか。

アメリカだけは比較的成功しているように見えます。
アメリカと同じことをしたい」「アメリカに言われたから(シーファーに言われたから)やる」
と堂々と宣言するのであれば、まだわかります。言い分としてはね。
ただ、アメリカで起こっている不当逮捕や、家族の、自分の子供の写真でさえ写真屋に現像を依頼したら家族も写真屋も逮捕されている、という現状もそのまま飲み込め、ということなのでしょうか。

このデータを持ち出したのはあたかも
「日本は児童ポルノの最大の輸出国である」
といった論評が一部から出ているからです。その根拠を彼らは示しません。
現在の日本の法律では児童ポルノとは認定されずに、少女の水着のDVDや、幼女が犯されているようなマンガやPCゲームなどが「イメージとして」その論評に着いてきます。
それらの趣味、表現、思想、性癖、と、実際の「日本は児童ポルノの最大の輸出国である」といった繋がりに根拠は一切無く、むしろでっちあげ、ただの感情論です。

アグネス・チャンさんは先日の児童ポルノ法改正審議会で参考人として審議を行った一人です。
彼女は繰り返しました。
「18歳になるまで待ってください」「持っててもダメ」
彼女は17歳の時に水着、ビキニでのカレンダーの撮影経験があります。明星のカレンダーグラビアに当時17歳だった彼女は水着で、グラビアで写っています。
「オトナになっても充分きれいです。大人になるまで待ってください」
彼女の論点は、あくまでも被害児童を出さないこと、だと思います。それで行くと彼女自身が児童ポルノの被害者です。なぜそれをもっと論点にしないのでしょう。
17歳の時に自分の意思であれ事務所の意思であれ水着写真を撮影しそれを発行物として発行したことは事実です。
それは彼女にとって今でも引きずっている辛い出来事なのでしょうか。17歳の時はガマンして18歳になってからやればよかった、あと数ヶ月待ってから水着のグラビアを撮影すればよかった、17歳の時に撮影されたこと、それが世の中に広まったこと、18歳ではなくて17歳の時に彼女自身のファンになった人について、今でも彼らに犯されるイメージを持っていて苦しんでいるのでしょうか。あと数ヶ月待って18歳になったらそれは全くなかったのでしょうか。
揚げ足取りになってしまっているのは事実だけれども、でも、17歳時に撮影した水着写真が明星に掲載されているのも事実です。彼女の論点は、それも持ってるだけでもダメ。違法。犯罪。ということなのですよね。

正直なとこ言って、国会の解散が近づいてきて、与党案、野党案の擦りあわせが間に合わずに解散してしまって先送りになるものだとばっかり思っていて、タカをくくっていた部分があったのも事実です。
でも、今国会中に採択する、と意気込んでいて擦り合わせも始まっている、との報道も出ました。

やはり一番わかりやすいのは、サンタフェ児童ポルノなのかどうか、っていう部分だと思いますが、はっきりしてないんですが、サンタフェって、宮沢りえさんが18歳の時に撮影したものじゃなかったっけ?
18歳過ぎてりゃ児童ポルノの定義から完全に外れてますよね。それでも、自民党の審議会のメンバーの議員もそれは児童ポルノである、と。1年以内に処分しなければ、所持していれば違法=犯罪、である、と。
150万部売れたんですよ。どうやって処分するの?そして、持ってるか持ってないか、どうやって調べるの?
150万部と言えば単純計算すれば日本国民の80人に1人は持ってることになります。80分の1の確率のために、サンタフェを持っていることが犯罪である、とみなされれば、80分の1の確率で捜査権を行使されるんです。サンタフェだけに限って、の場合です。

こんな馬鹿げた法律があるか!!
情報の転載は自由ですが、あくまでもデータに関しては一番最初に書いた団体のサイトから拾ってきたものなので、そのデータの正当性、信頼性は私にはわかりません。
それを信じるも信じないも、そして世のメディア(マスだけじゃない)のどの情報を信じてどの情報を信じないのか。
それも自由です。自由ですが、受動的に情報を受け取って鵜呑みにするだけでは確実に「論理的に物事を考える能力」が劣っていくだけである、と私は思います。なにも児童ポルノ法についてのことだけじゃない。
リテラシー力の無い人間は、それなりの人間にしかならないでしょう。

自分で調べろ、自分で考えろ、自分で決めろ。
参考にするのはなんでもいい。ただ、自分で決める能力を持て。自戒を込めて。